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  44. 45.SOS
  45. 46.おしっこのはなし
  46. 47.メタボリック症候群
院長のエッセイという名のこぼればなし
開院当時から院内で公開してきたエッセイです。
通常の診察では伝えきれない、日常の健康に関するお話、
母として感じたあれこれを紹介いたします。

01.うんこのはなし

「今日も健康、ごはんがおいしい。」、「今日も元気だタバコがうまい。」、
「今朝の目覚めはよかった、気分爽快。」…誰しも何かしら、漠然とではあっても、健康のバロメーターをもっているかと思います。
ここで、私からの提案です。
もうひとつ健康のバロメーターを増やしてください。それは「うんこ」です。
うんこの色、様子、回数などをよくみて、確認することによって、いろいろな病気の早期発見につながるサインがかくれています。

以前、私の仲良しの薬屋さんが「なかなか下痢が治らないです。」と悩んでいました。彼は薬屋さんなので、下痢止めを自分で用意してのんでいたのですが治らないとのことでした。
「汚い話ですが僕の下痢はまっ黒なんです。」彼のその一言で問題が解決しました。黒色便、特にコールタール状にどろっとしている便はタール便といって、胃などからの出血が腸内を通過するうちに黒くなって、下痢状に排泄された状態なのです。
すぐに胃カメラをすすめ、(胃がんや、ひどい胃潰瘍なら、私が手術をしてあげたいと思っていました。)出血性の胃炎がみつかり、(外科医としては手術にいたらず、ある意味残念でしたが)内服薬…下痢止めでなく、胃炎を治す薬…で、よくなりました。

便が何色か、太さがどのくらいか、水洗トイレの場合は水に浮くかなどよく見ておくと、その中にヒントが隠れています。

[色]
黒:出血 
白:胆管の閉塞、子供の場合ロタウィルスの下痢など
赤い出血:肛門に近いところの出血のときは赤い血が便に付着、または血そのものが排泄します。 血は痔、ポリープ、炎症、などで見られますがガンを否定することが大事ですから、出血は勝手な判断 をせずに受診しましょう。肉食中心だと黒っぽい便です。野菜を中心にすると、緑がかった、もしくは きれいな黄色の便になります。黄色から、緑っぽい便が健康な便です。
[性状]
下痢のなかにも種類があります。
不消化便、水様便、脂肪便、のりの佃煮状便、粘液便、それぞれに胃腸の機能障害、すい臓の機能低下、細菌性の腸炎、ウィルス性の腸炎、などなど、原因をうかがい知れるヒントがあります。
ただ、人間の大腸は長く、肛門に近づくにつれ、便は水分を再吸収されて、水分の少ない硬い便になっていきますから、人によっては日に何度も排便する場合、朝のうちは固めのうんこ、 後からはやわらかめのうんこになって出るため、下痢の病気だと思っていても病気と診断するほどではない場合もあります。コロコロのウサギのウンチのような人は、水分の摂取がすくないか、 ウンチをおなかの中に持っている時間が長すぎて、水分が再吸収されすぎたことが考えられます。水分摂取と、排便のリズムは自分で調整するのがいいでしょう。きばらずにスムーズに出る、 硬くない形のある便が健康な状態です。
[太さ]
細いのは要注意です。 大腸がん、直腸がんのときは、便が細くなって太く戻らなくなります。 細くなったと思ったらお医者さんに相談してください。
お腹痛い様子

★ここで、医者のうらばなし★
学生時代、肛門診の大切さを教授してもらったはなしです。 「肛門に指を入れて、診察することは大事です。直腸がんは触ってその存在を確認することができます。もし診察室にゴム手袋がなくて、本来診察すべき患者さんの肛門診をはしょって、その患者さんが直腸がんだったとき、大変なことです。
指についた汚れは洗えば落ちますが、名前についた汚れはとれないのですよ。」とはいえ、お尻の診察を患者さんが拒否することもあります。肛門の病気をみるには肛門に指をいれて診ることは大切だということを患者さんがたもよく知っておいてもらいたいと思います。
私は女医で、男の先生方より、体も小さいので指も細く、ほかの先生に診てもらうより楽ですよ。と、患者さんの気持ちを楽にしてあげることがあります。 注意一秒怪我一生、という言葉になぞらえると、我慢数秒、恥一瞬、病気一命、安心一生、そのためにうんこの観察とお尻のお手入れをお勧めします。

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