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院長のエッセイという名のこぼればなし
開院当時から院内で公開してきたエッセイです。
通常の診察では伝えきれない、日常の健康に関するお話、
母として感じたあれこれを紹介いたします。

07.つるかめ算

小学校のとき、算数でつるかめ算というのを習いました。私は特に算数が好きでしたし、お話の問題(文章題)が大好きで、つるかめ算につまずくこともなく、むしろ、ほかのみんなが、むずかしいとおもっているのを難なく解答できるのが、うれしくて、次から次と解いていった憶えがあります。では、昔に戻って問題を解いてみましょう。

数学の図式

それか、次のように考えてもできます。8羽全部鶴だとすると足は16本です。
1羽を亀1匹にかえるごとに足は2本ずつふえます。16本から、20本に4本ふやそうと思えば、鶴2羽を亀2匹に代えればよいわけです。
(解)亀2匹鶴6羽が答えになります。
うちの息子は天才だから(親はそう信じています。)このつるかめ算を教えました。まだ、小学校にあがる前に。亀と鶴とあわせて、頭が8つあります。足が全部で20本あります。と上と同じ問題をだして、答えの導きかたも教えました。では、こんど、鶴と亀の頭が7つだとするとどうでしょう。
うちの天才児はきっとよーく考えて、正解にたどり着いてくれるものと親はわくわく期待していました。(あたまが減った分、亀の数を増やせば足の数は増えるので、同様にかんがえて、亀が3匹鶴が4羽が正解です。)息子は即座に「亀が2匹、鶴が6羽」と答えました。「どして?」少し期待はずれで母はがっかり。
「それじゃさっきといっしょでしょ。もう一回考えてごらんよ。」息子は「亀は頭をひっこめます。」と。頭を引っ込める動作までつけて、すごく満足そうに答えた息子の顔を、今でもはっきりとおぼえています。 数学的天才ではなく、とんち的天才児でした。同様に足が19本なら、鶴が足を羽に隠せばいいのです。本当にとんちとしては、よーくできた問題です。どうして昔の人は、つるかめ算にしたのでしょう。
机といすとか、引っ込められないものにしておけば、あくまで数字の足す、引くで考えなければならないのに、確かに、亀は頭を引っ込めることができますものね。ここで落とし穴は、最初の設定は、あわせて8匹(羽)ですが、息子に出したときは頭の数が7つというところです。私は、子供に教えるのに、鶴と亀を同じ単位で数えるのはよくないと思って、あえて、「頭の数」で説明したのでした。胴体の数にしていたら、もっと悩んだかもしれません。
亀の頭が、引っ込むことを知っていること、鶴の足が、羽に上手に隠れることを知っていることが、このとんちの前提条件になります。鶴亀算を解答できなくても頭が柔軟で、問題の条件を上手に理解して、答えを導きだせたので、私は、やっぱり息子を天才だ思いつづけています。

笑う女の子

だじゃれの才能

「人間が、人間として、見て、聞いて、感じて、話して、想像して、いろいろできるようになるのは、どういう手順をふむのでしょうか。私は子供に甘い母親だと、友達にいわれます。
特に2才の娘には、なめられっぱなしです。というのも、2才では、まだ人として、不十分な判断能力しかなく、まだ、記憶も不十分だろうと思うからです。だから、何をしてもあまりしからないし、わがままもほとんどきいてしまうのです。
反対に、はじめて、なにかが、できたときに、とてもうれしく、ほおずりして、一緒によろこびたくなるのです。先日も、靴下に、「りこ」と名前をかいてやったら、つぎから、「『りこ』ってかいてある。」と記憶し、確認し、報告できるようになったので、「りこがよめるのね、えらいね。」とほめてやりました。(ちなみに息子は、2才でたいがいの仮名は読めていたので、当然娘も同様によめているものだと、思っていました。)ところが、いとこからもらった靴下には、いとこの名前がかいてあるのですが、「『りこ』ってかいてある。」というものですから、なんだ、状況で、そこに名前をかいてあるって知ってただけかと、ちょっと期待はずれでした。
でもりこはおにいちゃんとちがって、運動神経がありそうだから、と別な期待に胸はずませる、親ばかの私です。一番他人に笑われたのは、はじめて鼻くそをほじったときに、「りこちゃん、鼻くそほじれたのね、すごいー。」って喜んだときでした。本当に何もしゃべれない、動けない、虫のような赤ちゃんが、少しずつ大人のできることを獲得していく、それは、とても神秘的で、考えてみれば不思議なことです。もしかしたら、娘は、私のできなかった何かをできるように、進化していくかもしれないのです。最近の、りこのヒット作は、「さあ、おうちにかえろうか。」というと、「りこもかえる。・・・かえる、ピョンピョン。」とはねることです。 だじゃれの才能を開花しています。どう成長し、進化していくか、とても楽しみです。

人間の宿命の病気、腰痛と痔

私が、患者さんによくお話する人間の宿命の病気、腰痛と痔について、少しだけ話します。人間は四つ足動物の仲間だったのに、二本足で歩き、両手を使い、道具を駆使し、進化してきました。そのことによって、腰は、頭から下、上半身の体重をささえねばならなくなり、背骨は、上下におしつぶされそうになりながら、体をささえているのです。
肛門も四つ足のときには、胃腸と同じ高さで、うっ血など心配せずにいられたのに、二本足で立ったばっかりに、内臓のなかで、一番しもにおいやられ、ややもすると、うっ血しやすく、負担のかかる臓器になってしまったのです。そこで、でてくる病気、腰痛、痔は人間の宿命の病というわけです。で、医者は、もちろん腰痛にも痔にもお薬をだしますし、場合によっては、手術もおすすめしますが、ときに患者さんに、これは仕方ないのだと、思ってもらうしかないときもあります。何せ、宿命ですから。でも反対に、この宿命の下にあっても、出血や痛みを感じずに、上手に体をコントロールしている人がいるのも、事実です。ですから、なるべく、そういう人たちのまねをして、悪くならないようにするのが、いいでしょう。
腰痛に関しては、腹筋、背筋の鍛錬、痔に関しては、便通のコントロールと姿勢(すわりっぱなしをなるべくさける)と食事の工夫(刺激物をさける)がいいでしょう。(長くわずらっていて、生活の工夫だけで良くならない人は、必ず受診して、みてもらってください。)
人類は進化することを選んだため、世代交代をし、遺伝子を伝え、死んでいくのだそうです。生命体のなかには、あまり進化をせず、ひたすら細胞分裂をくりかえしている、低級な生命体もあるそうです。環境ホルモンや、ダイオキシンの問題など進化の中に、人類が犠牲にしている、環境や健康の問題が隠されていると思います。 たまたま読売新聞の夕刊に、「日本ガメピンチ」の記事を見ました。輸入した外来種の亀を人間が野外に放置した結果だということです。亀と鶴は縁起のよい動物として、つるかめ算にも登場しているのでしょうが、縁起ものが、日本で生態系の異変をもろにうけている。これを亀のことだと、みすごさず、人類がほ乳類のなかで絶滅せぬよう、環境や健康のことを考えられる大人に、子供たちを育てたいと思います。

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